提高眼界,心手相应。
冯武①在《书法正传》中说:“既知用笔之诀,尤须博观古帖,于结构布置,行间疏密,照应起伏,正变巧拙,无不默识于心,务使下笔之际,无一点一画,不自法帖中来,然后能成家数。”专一家而博百家。并非通临,读帖或是方法。取百家而成自家。如何善取,看其造化。自法帖中来,并非照搬,而须消化,才成自家。笔笔有古人,字字属自己是也。
笔墨手札之卅四。庚子五阳月鱼公盛欣夫并记。
①冯武(生卒年不详),字窦伯,江苏常熟人。明末清初藏书家、刻书家、书法家。
真剣に手本を読み、蓄積に長ける。
視野を高めて、心と手が互いに引き立て合う。
馮武は『書法正伝』の中で、「既知用筆之訣、尤須博觀古帖、於結構布置行間疏密、照應起伏、正變巧拙、無不默識於心、務使下筆之際、無一點一畫、不自法帖中來、然後能成家數。」(執筆の方法を知らば、より多くの古帖を見て、その構造、配置を見て、行間の疏密を且起伏の変化、巧と拙の違いを心に黙って記すべきであり、自ら書く際、絵は法帖に基づいて表現され、発露し、次第に己の方法になる)と言っている。一家について専問的に学ぶ一方、百家をひろく学ぶ。これは全て臨摹するのではなく、法帖を読むのも方法である。百家をとり自家を成す。どのようにとるのがよいかその造化を見るのである。法帖から来るものは、そのまま引用するのではない。消化してこそ、己のものとなる。筆画には昔の人が見え、文字は己のものとなる。
筆墨自書の三十四。庚子五陽月魚公盛欣夫記す。
身累先休整,气平心手和。
书画作品,精神产物。心境不畅,怎有佳构。故有心事,切勿弄墨。好心情,方出好作品。身体累,不动笔。如若完成任务,那叫应酬作品。这就难有艺术之质,更难说其文化内涵。艺术不应等同于商品属性。如若批量生产,就无精神内核。笔墨手札之卅五。戊子撰,庚子辰月鱼公并记。
いらいらする時には執筆せず、気持ちがそぞろの時に墨を使わず。
体が疲れたら先に休み、気持ちが穏やかであるこそ心と手が一緒になる。
書画作品は心の産物である。気分がよくないときにはいい構想が生まれるはずがない。そのため、心配事があるときには、墨を使ってはならない。よい心持ちであって初めてよい作品ができる。任務を成し遂げるために創作したものを生産物と言う。これには芸術的な質はあまり望めない。文化的な内包はさらに言うまでもない。芸術は商品と同じではないのである。量産すれば、精神的な核がなくなる。
筆墨自書の三十五。戊子撰、庚子辰月魚公記す。
动笔连带精气神,凝神运气写心情。
笔墨天天随心走,摹古读史看风景。
笔墨出于心灵,心灵不能空虚。临古、读书为主要源泉,走走看看不能省俭。大世界、大自然,与胸襟格局有关连。如不走走,或无李白,或无“二王”,或无徐渭、石涛一大串。文化精粹,就古贤。自然精华,出于自然。笔墨手札之卅六。戊子夏撰,庚子笋月鱼公盛欣夫于甬上盛庄。
筆墨を日々心に置きながら歩き、模古読史し風景を見る。
筆墨は心から出てくるものであるため、心は空虚であってはならない。模写、読書を主な源とし、歩き、見ることはおろそかにできない。広い世界、大自然は心のありかたと関係がある。出歩くこと、旅をしなければ、李白はおらず、あるいは「二王」(王羲之と王献之の親子)はおらず、あるいは徐渭、石涛等はいない。文化の粋は古賢にあり、自然のすばらしさは、自然から生じるのである。
筆墨自書の三十六。戊子夏撰、庚子簡月魚公盛欣夫が寧波の盛荘で。
墨分五色靠水分,焦重浓淡有分称。
功夫学养在平时,恰到好处是精神。
董其昌①评苏东坡②:“此《赤壁赋》庶几所谓透纸背者,乃全用正锋,是坡公之兰亭也,每波画尽处,隐隐有聚墨痕,如黍米珠,恨非石刻所能传耳。”(《画禅室随笔》)这说明与用笔有关。用锋正侧,运笔速度与浓淡关系皆有因素影响。画之深浅枯湿浓淡与书相比简单些,近浓远淡,主重次轻,乃为常识。难在一笔之内,墨分几色。就须分次舔墨,水墨分蘸。或先水后墨,或先墨后水。速度与墨量有关系,于笔、于纸皆有影响。善于摸索,自找契机。笔墨手札之卅七。戊子撰,庚子槐月鱼公盛欣夫并记。
①董其昌(1555—1636),字玄宰,号思白、香光居士,华亭(今上海松江)人。明书画家。
②苏东坡(1037—1101),字子瞻,号东坡居士,眉州眉山(今属四川)人。北宋文学家、书画家。
技量は日ごろから学び、ほどよいあんばいの時に精神が見える。
董其昌は蘇東坡を評し、「此『赤壁賦』庶幾所謂欲透紙背者、乃全用正鋒、是坡公之蘭亭也、毎波畫盡處、隱隱有聚墨痕、如黍米珠、恨非石刻所能傳耳。」(この『赤壁賦』の字は力がほぼ紙の裏に通じていると言ってもよく、彼は全て中鋒を使っている。これは東坡の『蘭亭序』のような傑作だ。筆を収めるところにはいずれも墨を集めた形跡がわずかに見える。きび真珠のように、残念なことに、これは彫刻石だ。紙絹に係れた原作はどんなにすべらしいものであったことか)(『画禅室随筆』)と言っている。これは東坡の書が筆の用い方と関係があることを説明している。筆鋒の正側を使った場合、スピードと濃淡関係にはいずれも影響の要素がある。絵の墨の用い方は書道より簡単で、近くが濃い、遠くが淡い、主が重い、次が軽いと運用するのが常識である。難しいのは墨を一筆で何色にも分けることである。墨を何回かに分けて添加し、水と墨をそれぞれつける。先に水、後で墨、あるいは先に墨で後で水をつける。スピードは墨の量と関係がある。筆にも、紙にも影響がある。模索をして、自ら契機を探す。
筆墨自書の三十七。戊子撰、庚子槐月魚公盛欣夫記す。
盛欣夫,字甫之,号鱼公。堂号盛庄、梦斋、惕庐、子鱼堂。1949年1月(戊子除夕)生于浙江桐乡(崇德)盛家木桥。书坛名宿邹梦禅弟子,国家一级美术师。中国书法家协会会员,当代作家联会理事,中国武术协会会员,浙江当代中国画研究院副院长,宁波财经学院教授,宁波大学客座教授,政协海曙区第二、三、四届专家型特聘委员,海曙书画院副院长,中国渔业协会渔文化分会理事,宁波渔文化促进会艺术中心副主任,桐乡市书法家协会名誉主席,景德镇鱼画陶瓷研究院名誉院长,鱼公书院院长。
数十年躬读老庄,用心晋唐,意会晚明,深研楚简,独钟简草,书画自己。或书,或画,或文,或陶瓷绘,其实只为书画一件事,人生七成在笔墨。如是走来,乐在其中。曾获"中国书法百杰"称号、第二届中国书法兰亭奖•教育提名奖、嘉兴市人民政府艺术教育成果奖。鱼瓷作品与鱼类绘画双获农业部、中国渔业协会金奖。2019年,书画六件(组)入藏浙江省博物馆等。
主要著作有《甫之识联》《鱼谱》《鱼瓷》《国画蔬果鱼类技法丛谱》《行草十八要旨》《盛庄艺文)(独写人生》(书写入心》《鱼公书画集丛》等30余种。
格言:顺其自然 必有自我。
盛欣夫、字は甫之、号は魚公。堂号は盛庄、夢斎、惕廬、子魚堂。1949年1月(旧曆戊子年の大晦日) に浙江桐郷(崇徳) の盛家木橋に生まれた。書壇の名人でめり権威であった鄒夢禅の弟子で、国家一級美術師である。中国書法家協会会員、当代作家聊谊会理事、中国武術協会会员、浙江当代中国画研究院副院長、寧波財経学院教授、寧波大学客員教授、政協海曙区第二、三、四期専家型特任委員、海曙書画院副院長、中国漁業協会漁文化分会理事、寧波漁文化促進会芸術センター副主任、桐郷市書道家協会名誉主席、景徳鎮の魚の絵の陶磁器研究院名誉院長、魚公書院の院長です。
数十年にわたり老莊をひたすらに読み、晋唐の文化を体得し、明末の文化を理解し、楚簡(竹簡)の研究に動しみ、草書を専らし、自身を書画で表現してきた。書、画、文、陶磁器の絵をのすが、ただ書画に心をこめ、筆と墨の人生を歩んできたが、楽しさはその中にあった。かつて、「中国書法百傑」の称号を与えられ、第二回中国書法蘭亭賞·教育賞にノミネートされた。魚の陶磁器作品と魚類の絵画がいずれも農業部、中国漁業協会の金賞、嘉興市人民政府芸術教育成果賞を受賞。2019年、書と絵六点(組)が浙江省博物館などに所蔵品として収められた。
主な著作には、『甫之識聯』『魚譜』『魚磁』『国画野菜·魚類技法羲譜』『行草十八要旨』『盛庄芸文』『独写人生』『書写入心』『魚公書画集羲』等30余種がある。
格言:自然に従えば、必ず自我有い。